築地市場はとっても危険でヤバイです。

最近築地市場で働く機会があった為、築地市場移転問題が巷でいかに偏向報道され見当違いの論点と政治ゲームに翻弄されているか!よくわかったのでちょっと一筆。
まず、なぜ移転するのか?
これは簡単な話。
限度を超えた老朽化の為。
巷ではオリンピック問題やら利権がらみのゴシップ記事で溢れていますが、それはそれで「おまけ」としてあるのかもしれない。
それはそれで
「移転問題と切り離して論じてくれ!」

(そもそも石原の発言を時系列で並べるとつじつまが合わない、オカルトの世界)

さて、どんな老朽化による問題が起きているかというと

築地市場で事故続発、過密深刻化
2009.12.25 18:30
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/091225/tky0912251833009-n1.htm

老朽化と過密化が指摘されている築地市場(東京都中央区)の場内では先月から今月にかけ鉄板などが落下する事故が続発し、年末の緊急点検と修理に追われている。また、過密化の弊害でもある場内の交通事故は今年1〜11月で316件発生した。昭和10年に開場した市場は来年75周年を迎える。都議会では移転をめぐり議論中だが、再整備は急がれている。
 落下したのは長さ約1メートル幅約8センチの薄い鉄板と、長さ約15センチ縦横約5センチのコンクリート片。けが人はなかった。いずれも水産仲卸業者の売り場で、鉄板は市場が開場する前の昭和8年に完成した鉄骨の建物。市場によると、海水を濾過(ろか)して床の洗浄に使っていることなどから、鉄骨の腐食が進んだことが原因とみられるという。
 事態を受け、市場は落下を防ぐネットを設置。点検でほかに1カ所、もろくなっている天井が見つかり、あらかじめコンクリートをたたき落とすなどの対策を行っている。鉄骨がむき出しの状態だが、市場は「移転が控えているので、あまり手をかけられない」と頭を抱える。
 一方、市場内での交通事故は過去2年間、年間400件を超えて推移しており開場日1日当たりおよそ1・5件。事故は商品運搬用車両同士の衝突など関係者の事故が大半だが、観光客が運搬用車両に足を踏まれるなどの例もある。
 前年同期比で54件減少したものの、繁忙期の年末年始は事故が多い。市場は来年1月23日まで、観光客に人気のマグロの競りの見学エリアを閉鎖。市場は「観光客が殺到すると危険」と説明している。
 交通事故の主な原因は、鉄道輸送が主だった時代に建設されたなごりで、車両の明確な導線がないため。車両と歩行者の導線を分けた平成元年建設の大田市場(大田区)は、広さが築地市場の約2倍にもかかわらず、20年の年間事故数は153件と築地の半分以下だ。市場は場内での時速15キロでの走行を呼びかけているが、関係者は「それでは周りに遅いといわれる。導線がないため我先に突っ込んでいるのが現状だ」と指摘。市場は「根本的な解決には移転しかない」としている。
 築地市場の再整備をめぐっては、都は豊洲地区(江東区)に移転新築し、26年の開場を目指す。予定地で土壌汚染が判明し、都議会第1党の民主は現地での再整備を掲げるが、都は土壌改良で安全は確保できるとしている。22年度の予算要望では、民主が移転関連予算を計上しないよう求める一方、自民、公明は計画通り移転を進めるよう要求。真っ向から対立している。

>先月から今月にかけ鉄板などが落下する事故が続発
水産仲卸で起きた事件だけど、普通の建築物・施設であればとうの昔に
使用中止命令と立入禁止措置
がとられて然るべき事故である。

また、この件に関して場内で働いていれば、どこに鉄骨が落下したか知っているだろうけど、移転反対派がデマを流しています。あの時の特別警戒区域は第5大通りと第6大通りの間、2000番〜5000番の辺りだったわけで、これはもう、中枢部分が老朽化してヤバイって話です。


>市場内での交通事故は過去2年間、年間400件を超えて推移
この記事が書かれた12月に、なんと1ヶ月に100件超えの事故が発生し、安定して年間400件超えの交通事故生産現場となっている。
交通事故の主な原因だが、記事にもある通り
鉄道輸送に最適化された設計の市場で、世界にも類を見ないほどの魚の取引をトラック物流で行っているから!

ちょっと図表すると

青果門の方から来た列車が、卸エリアに魚を降ろし、そこで競りが行われ、仲卸エリアに魚が運ばれ、業者の方々が魚を買って買荷保管所に一時保管し、そこからまとめて場外へ。
というとてもシンプルで、良く考えられた構造なのである。

そんな設計の市場に、道路をひいてトラックメインで物流するから
まずは卸エリアへトラックで魚を運ばなきゃならんわけ

黄色い場所(卸エリア、もしくは一時保管所)へ、赤いところから入って魚を持って行って、そこから仲卸エリアに四方八方からフォークリフトターレーで魚が運ばれ、並行して買った魚を持って帰る車の流れも発生

こういう位置に交通渋滞が発生してしまうわけ

建物そのものを導線通りに並べて、場内の交通の必要性を極力減らすのが通常の設計で、鉄道時代なら理にかなった設計なわけ。
しかし、トラック物流に移行して、全門から一斉に卸・仲卸を目指した車の流れと、そこから脱出する空荷のトラックの流れと、下ろした荷物を適正位置に運ぶフォークリフトターレーの大渋滞、そして5時頃から魚を仕入れに来る業者さんの大渋滞、そこを邪魔する観光客!

現在の築地は
交通事故を発生させるための設計
と言っても過言じゃないだろう。

そして、魚を筑地に運んでくるトラックや、筑地に仕入れにやってくるトラックや乗用車は、当然ディーゼルだったりガソリン車だったりするわけで、それが大渋滞するもんだから築地市場排気ガス濃度も半端じゃない。
一応、場内のターレーの電動化を進めることで半端じゃない場内の大気汚染を食い止めようとしてはいるけど、電動ターレーは馬力がないし電圧が落ちてくると坂も上れなくなるので場内では非常に評判が悪い。

移転反対派の大部分は「食文化の保護」とかもっともらしい事を言うが、そんな命の危険と大気汚染(魚に有害物質が付着する危険)を抱えた現市場で何の文化を守るんだろうね?
所詮は場外市場と連携して利益をむさぼっている地権を持った人間が、自分の利益保護の為に一般の何も知らない都民を巻き込んでいるだけなのに。

もちろん、新市場の設計にも不備があって、競りという物が蔑ろにされかねない部分もあるわけで、そういう経済論争的な真面目な視点で本来は物事を進めるべきなんだけど、それは解決されちゃうと(キチンと議論すれば解決可能な問題なので)残った地権の問題は都民から見れば所詮エゴなんで、エゴ的な反対派にとってはとてもまずい訳。

だから、築地市場場内で変な洗脳集会開いたり、変な運動員が現れて(だいたい同じ面子だけどね)マスコミ受けするようなパフォーマンスやシュプレヒコール上げて、馬鹿なマスコミとしても視聴率狙いで変な映像流して、現場を知らない都民はだまされちゃう訳。美味しんぼでも、あの調子に乗った売国奴原作者が移転反対で見当違いな作品書いてますけどねw

ということで、長くなったので今日はここまで。
次回は、新市場の汚染除去実験の話でも。(^ω^)y



追記
2010年7月23日 築地市場で壁面レンガ崩落 男性1人軽傷
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/07/20k7s500.htm
言わんこっちゃ無い!

事故現場の写真はこちら
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/07/20k7s501.htm
見りゃ、どんだけ古くて対策が不可能な老朽化か、馬鹿でも理解できるはず。

今回はたいしたこと無くて、本当に良かった。
死人が出る前に、移転する事を切に願います。

☆☆☆☆☆☆まとめ☆☆☆☆☆☆

築地市場移転が急務な訳
移転先(豊洲)の汚染除去の実態1
移転先(豊洲)の汚染除去の実態2
築地市場移転騒動
急転 築地市場移転へ
豊洲新市場予定地の液状化について 
新市場の設計はこれでいいの?(予定)

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