そもそもデモテープって?

何も知らない素人が、デモテープみたいと騒いでいるが・・・
彼等はデモテープと言うものを聞いたことがあるのだろうか?
デモテープを聞いた事のない人が「デモテープみたい」と発言するのは、如何なるものだろうか?

そもそもデモテープってどんなものなのだろう?

幸いにも数人のアーティストと親交を持っているので、そのデモテープと言うものを何度も聞いた事があるし、数十作品に関しては製作にも関わっている。
その中には、オリコンで1位に入った楽曲もある。アニメで歌われているものもある。世に出なかった曲もあったりして・・・・(笑)

Dive in the sky

Dive in the sky

もちろん、そんなものは絶対に公開できないのだが・・・

デモテープは、聞かせる相手や目的によって全く違ったものになる。
簡単に思いつくまま分類すると・・・

1)デビュー前のミュージシャンが楽曲の売り込みなどのためにサンプル音源を録音
2)詩が出来ていて、メロディーラインを単音レベルで奏でたもの
3)メロが出来ていて、詩が「ラーラーラー」となっているもの

大体上記3種類に分けられる。亜種として(1)のプロミュージシャンがタイアップ用に製作するものがあるが、基本的に同じ。違うアーティストに歌ってもらうための仮歌を入れたデモテープも(1)に分類されるだろう。

目的・聞かせる相手、によってその作りが、だいたい上記3タイプに分類できると思う。

1)の場合、完成度が命。
作り方は、
http://www.geocities.jp/asamidays/demote/demo.html
http://www.musicable.net/seminor/demo/demo_1.htm
を参照の事

デモテープ制作に強くなる本!

デモテープ制作に強くなる本!

つまり、商品になると言う覚悟をもって望むべき作品である。

(1)のデモテープは、実際に30曲ほど製作のお手伝いや間近で接してきているので、私にとって非常に親しいモノである。デモテープと言っても、それがそのまま(マスタリング調整を経て)発売される事もある。ほぼ完パケの状態だと思って良い。

(2)のデモテープは、詩が先に出来ていて、メロディーが決まっていない場合に、作曲家にいらぬ先入観を与えぬように、極めて単調な音で仮メロを載せて作られる。とある有名なプロデューサーが作ったデモテープを聞いた事があるが、着メロみたいなメロに詩が載っていた。(最終的にアレンジャーは98トラックも重ねた重厚極まる楽曲に仕上げるのだが・・・・)アーティストによってはギターの簡単なコードで作られることもある。

(3)のデモテープは、曲が出来ていて詩がまだなので、例えばサビ以外が「ルールールー」「ナンナナナー」といった当て歌で出来ている。この場合、曲は完成しているパターンが多い。もちろんその後の歌詞が発するイメージでメロが変わる事もあるが、基本的に曲(オケ)は完成品である。

(1)のデモテープは、完パケに近い状態なので、そもそも批判の対象にならない。
批判の表現として使うのであれば、(2)の状態だろう。

しかし、いくらアレンジの方向性を探るデモテープとは言っても、ギター2本とバーカっションやグロッケンまで使って何トラックも重ねてアコースティック録音したモノをデモテープと呼ぶのは、
相当センスがない。

ジャンベ(パーカッション)

グロッケン

少なくとも、アレンジの方向性を探る目的のデモテープであれば、ギター1本で数トラックの録音、打ち込みのリズム音源で充分である。いや、ギターだって打ち込みで充分かもしれない。とにかく宅録で一人で作れるレベルじゃないと、作り直しを命じられた場合あまりにコストパフォーマンスが合わない。

特にアコースティックの場合、録音が大変なのである。

この手の編成で、読売テレビのOKをもらう場合、まず(2)の発展形で宅録レベルで仮録音をして、アレンジの方向性に関してディレクターからGOサインをもらう

私だったら、一人でギターの録音を自宅で行い、自宅で手持ちの音を重ねてトラックダウンし、方向性をしっかりさせた大まかな曲を作ってディレクターに持っていく。
そしてディレクターの指示を受け直したものをスタジオで録音、その後仮編集をして(1)のデモテープを作成しディレクターに渡す。その後細部の修正と、必要に応じて一部再録音を行い、トラックダウンしたものを納品する。

こんな流れだろうか・・・・

特にアニメ作品の場合、
タイアップであっても、監督の意向がものすごい影響を与える
のである。ましてや、作品につながった曲の場合(つまりOPではなく、主題歌)は相当なものである。

(2)を作った時点で、監督からものすごい注文が入る。
それこそ、作曲家がノイローゼにかかりそうになるほど、論理的でない表現を使って・・・
「この人、何が言いたいの?論理が破たんしてるよ!俺は何を歌えば良いの?」みたいな作曲家の愚痴を何度も安酒場で聞いてあげたものだ・・・・

つまり、アニメの楽曲に対する批評は、作品監督にだって向けられるものなのである。

特に今回は、原曲があり、それを作品監督がディレクションし、音屋吉右衛門が形にする作業である。
細部の表現は世良さんや野村さんの仕事だが、大きな方向性やジャッジは作品監督である、しぎの あきらさんや笹川 ひろしさんの仕事だ。
 
「家族で見る万人向けアニメ」
という指示は、この枠(月曜19時)を使う上での、局からの指示である。

参照記事
http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20080204mog00m200013000c.html

それに対し、音屋吉右衛門はCDにギター譜を付け、
お父さんが子供にギターで弾いてあげる
という回答を出したわけだ。
これは決して間違っていない。単なる子供曲だとお父さんは格好悪いと思うので弾かない・・・しかし、自身も知っている曲がロック&ブルース風にアレンジされていれば、
ちょっとは弾いてみたいと思うものである。

実は私も、現在久々にギターを弾いて、左指先が痛くて皮がむけまくって大変なのである。

かっこよく弾ければ、日頃会社では窓際で、家庭では無視されて、人生に疲れ切った
お父さんの面目躍如
である。子供の前で、ロック&ブルースでヤッターマンの歌を弾いて歌って見せれば、下着は無理でもYシャツ位は一緒に洗ってもらえるレベルまで、
地位が向上すること疑いない

もしかすると、家族計画が狂って少子化対策にもなるかもしれない・・・・

さて話がそれたが・・・実際に山本氏が聞いた音源は、現在発売されているCDとほぼ同じ音源のはずである。

あの音源をデモ(2)と呼ぶのであれば山本氏は今までの音楽生活で、どんなデモテープを作っていたのであろう?

私は指摘したい!無駄が多すぎである。と・・・・

なんせ、山本氏のデリカシーの無い記事によって、これだけ騒ぎが大きくなった訳だ・・・
批判Blogやコメントは90%以上、山本氏のHPの受け売りだ。ろくに音を聴けていない素人がヒステリーを起こしている内容としか見えない。

よほど恥を忍んで詫びを入れ、ファンに対し説明・謝罪するなどのケジメを付けなければ、もう業界復帰は絶望的だろう・・・・
豪華なデモテープ作りをしている余裕はないはず。

第二クールのOPでも仕方なく山本氏の楽曲を使う事はあっても、
彼がタツノコ作品で歌う場面は金輪際来ないであろう。

なんせ騒動から約1ヶ月間、彼は何のフォローもせず、あまつさえラジオに出演し相変わらず批判の匂いを漂わせているのだから・・・・
その批判は、どんなに楽曲を責めても、それは総監督や諏訪プロデューサーに対するものなのだから・・・・
このままノーフォローを続けていたら
ヤッターマンのTV放映が終わり次第、業界追放は必至だろうな・・・・

もしかすると、旧作品がリリースした1977年は宇宙戦艦ヤマトに代表されるように、作品内の音楽がサントラとして初めてリリースされた時期である。音楽に力もお金も大量につぎ込んだ時代だから、その感覚で今でも豪華なデモテープ作りに励んでいるのかな?

オリジナルBGMコレクション 宇宙戦艦ヤマト Part2

オリジナルBGMコレクション 宇宙戦艦ヤマト Part2